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ワールド・カフェ

ワールド・カフェの基本哲学

1.人々による会話がウェッブ状につながり合うことにより未来が創造される

フランス革命では、カフェが重要な役割を果たしたと言われています。少人数の市民によるカフェでの会話が、時間と場所を超えてお互いにつながり合って、やがて市民の共通意識が醸成され、フランス革命の思想の下地を作ったというのです。

このように時間と場所を超えた会話のネットワークには未来を創る力をもっているということが、ワールド・カフェの前提となる基本的な考え方のひとつになっています。

ワールド・カフェのプロセスでは、参加者が 4 ~ 5 人単位で、テーブルを囲んで話し合います。ラウンドが進むにつれて、メンバーの組み合わせを変えることにより、参加者の運ぶアイディアが相互につながりあって新しいアイディアを生み出し、未来を創造する自己組織化が起こるようにデザインされています。

 

2.魅力的な問い(大切な問い)が、集合的学習を促進する

ワールド・カフェで重視しているのが、どんな問いについて話し合うかということです。参加者が真に話し合いたいと思っている問いについて話し合うことにより、集合的な学習がおきるのです。問いについては、第3章の「大切な問いを作る」で詳細に説明します。

 

3.人間や、組織、家族、コミュニティは生命システムである

最近になって組織や人の集まりを生命体としてみる見方が広がりつつあります。ワールド・カフェもそうした考え方を基本にしています。

このことは、人や組織を機会とみなして、スピードと効率を追求してきた産業革命以降の基本的世界観からの大きな転換であるといえましょう。機械論的な世界観と生命論的世界観との対比については、ピーター・センゲが示唆に富んだ説明をしています 組織や人を生命体としてとらえる考え方をする人が特に注目するのは、生命体が持っている自己組織化能力です。

したがって、ワールド・カフェにおいても、参加者の自己組織化能力最大限に発揮できるようにするための様々な工夫がされているのです。

 

機械として見ると

生命としてみると

所有者

誰かに所有されている

自分自身が所有者である

目的

機械を作った人が考える目的のために存在する(所有者のために最大限の利益を生み出すため)

自分自身の内在的な目的をもっている

誰が作るのか

外部の人が作る

自分自身の内的プロセスによって自らを作る

行動

マネジメントによって与えられる目標や意思決定に対する反応として行動が取られる

自らの目的を達成するために自律的に行動する

メンバーの
性格

メンバーは従業員、「人的資源」であり使われる存在である。

メンバーは Human work community1

誰が変化
させるのか
静的で固定的である。誰かが変えることによって変わる

自然に進化する

 

4.生命体システムの基本はネットワークである

サンタフェ研究所のジョン・ホランド氏は、細胞から社会システムにいたるさまざまな学習と適応の基本プロセスに関する研究を行っています。彼がそこで強調しているのはシステムにおいて最適な学習と発達が起こるのは、新しい機会と可能性を探求できる環境とともに、豊かな相互作用のネットワークが存在するからだと述べています。

生命体が環境変化に対応し、適切な学習と発達を行っているのは、まさに生命体が相互作用のネットワークで構成されているからだといえます。

ワールド・カフェにおいては、こうした相互作用のネットワークを実現するプロセスとして設計されています。言い換えれば、時間と空間を越えて行われる対話のネットワークを、同じ時間に一ヵ所で行う方法であるとも理解できます。

 

5.システムが多様性に富み、創造的な方法で結合されることにより知性 ( インテリジェンス ) が生まれる

ワールド・カフェでは、参加者の多様性を確保することが大切であると考えています。そして多様な考え方が出会い、相互に関連付けられ、新しい気づきや知恵が生まれる場として工夫されています。

自分とは違う視点に接し、自らの理解を再考し、新しい理解を深めていきます。自分の考えを探求した後で、他の人の考えをつなげていくことで、突然のひらめきや洞察が起こってきます。それらが、さらにつながり合うことで集合知が生まれてきます。

 

6.我々は必要とする知恵・資源を、集合的に所有している

ワールド・カフェでは、誰か特定の人が知恵や資源を持っているとは考えません。知恵や資源は参加者が集合的に持っているのであり、一人ひとりの持っている知恵や経験を相互に関連付けていくことにより、一人ひとりの能力を超えた新しい知識や知恵がうまれてくるのだと考えます。

 

※本頁は『ワールド・カフェをやろう』香取一昭、大川恒著(日本経済新聞出版社)を加筆修正して解説してあります。

 

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